犬の消化器の病気を徹底解説!病気は早期発見・早期治療が大切です。動物病院の獣医師の先生に適切な説明・相談ができるように、普段から病気に対する知識を付けることが重要です。犬の消化器の病気の症状・原因・治療・予防について、分かりやすく説明します。犬の病気・犬のペット保険加入についての情報は【ペット保険ラボ】にお任せください。

犬の腸リンパ管拡張症を解説!症状・原因・治療・予防を知る
犬の腸リンパ管拡張症の症状 犬の腸リンパ管拡張症(ちょうりんぱかんかくちょうしょう)とは、腸管と腸の周辺にあるリンパ管が、なんらかの原因で流れが妨げられ、拡張して機能不全を起こす病気です。 慢性的な下痢が主症状で、進行していくと体重減少や食欲不振、低蛋白血症に伴って血漿(けっしょう)の浸透性が下がり、血液中の水分が血管外に漏れ出して浮腫や腹水、胸水などを起こすこともあります。 犬の腸リンパ管拡張症の原因 先天性と後天性の二種類があり、先天性のリンパ管形成不全は犬では稀なケースだといわれています。 後天性のリンパ管拡張症は、腸管の炎症を伴う疾患(炎症性疾患)に続発してリンパ管の閉管が起こり、リンパ管内圧の上昇に伴ってリンパ管拡張が起こるのが、最も一般的な理由として挙げられています。 また、リンパ管を圧迫するリンパ腫のような腫瘍や肝硬変、右心不全などのようなリンパ管内圧を上昇させる疾患に続発する場合もありますが、原因が特定できない場合も多くあります。 犬の腸リンパ管拡張症の治療・予防 治療法は、現在効果的な根本治療が見つかっておらず、症状の抑制や改善といった対症療法が用いられています。 また、原因疾患の治療に加えて、一般的には低脂肪食、高蛋白質といった食事療法、腸の炎症を抑えるステロイド療法、食物アレルギーが関与している場合、除去食になるアレルギーの治療などが行われます。 腸リンパ管拡張症の食事療法において、特に重要なのは脂肪分の摂取に関する点です。 食事中に含まれている脂肪は、分子構造の違いから長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸の三つに分けられますが、この中で長鎖脂肪酸は腸管のリンパの流れを刺激してリンパ管を拡張させて腸管内へのタンパクの喪失を大きくする働きをします。 ところが、一般的な市販のペットフードに含まれる脂肪の多くは長鎖脂肪酸なので、なるべく脂肪分を制限したフードを選択し、ココナッツオイルやMCT(中鎖トリグリセリド)パウダーなど、リンパの流れを刺激しない中鎖脂肪酸を多く含む食品を利用して摂取カロリーを補うことが推奨されています。 また、食物繊維は長鎖脂肪酸の吸収を抑制してリンパの流れを減少させる効果があるので、高繊維食が望ましいようです。 加えて、腸リンパ管拡張症は脂質の吸収不良を起こすので、脂溶性のビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)を補うことも必要となります。 重度になると、対症療法として、状況に応じてアルブミン製剤の投与や膠質輸液剤(こうしつゆえきざい)といわれる血漿の浸透圧を維持する為の輸液剤の投与、血漿輸血などが行われます。 予防策は、病気の発生自体の予防が難しいので、食欲不振、体重減少や慢性的な下痢などの気になる症状が見られたら早めに動物病院に受診して早期発見・早期治療を行うようにしましょう。 腸リンパ管拡張症の確定診断は、全身麻酔をかけて内視鏡や試験回復での腸の生研によって行われますが、低蛋白血症や衰弱などの症状が進行してしまうと検査自体の負担やリスクが大きくなってしまう為、適切な時期に検査が行えるよう、早期の段階で受診できるようにしましょう。 なりやすい犬種(好発犬種) ヨークシャー・テリア マルチーズ 犬の消化器の病気一覧 胃拡張・胃捻転症候群(いかくちょういねんてんしょうこうぐん) 膵炎(すいえん) 肛門嚢炎(こうもんのうえん) 腸閉塞(ちょうへいそく) 会陰ヘルニア(えいんへるにあ) 肝硬変(かんこうへん) 膵外分泌不全症候群(すいがいぶんぷつふぜんしょうこうぐん) 腸炎(ちょうえん) 胃潰瘍(いかいよう) 肝炎(かんえん) 腸重積(ちょうじゅうせき) 胃炎(いえん) 蛋白漏出性胃腸炎(たんぱくろうしゅつせいいちょうえん) 腸リンパ管拡張症(ちょうりんぱかんかくちょうしょう) 巨大食道症(きょだいしょくどうしょう) 食道炎(しょくどうえん)